来週も手がけづらい1週間

日経平均は大幅下落。199.56円安の15634.67円(出来高概算14億4000万株)で取引を終えている。21日のNY市場が下落となり、シカゴ先物も一時15660円まで下げていた。これにサヤ寄せする格好から売りが先行しており、日経平均は寄り付き直後に15700円を下回っている。このところ強い動きをみせていた値がさハイテク株中心とした国際優良株は、ナスダックの下落影響もあって利食い優勢の展開となっていた。一方、大手銀行株は売りが先行したものの、7−9月の大企業業況判断が3期ぶりに改善したこともあり、その後は底堅い値動きをみせる場面もあった。しかし、後場に入ると先物市場での大口売りが相次ぎ、これに伴って国際優良株の一角が下げ幅を広げている。これにより日経平均は一時15580.19円と8月14日以来の15600円を割り込む場面をみせている。 来週は25日に3・9月期決算企業の権利付き最終売買日となる。このところの軟調地合いから、配当取りと言うよりはその後の株価調整を警戒して、利益確定の動きが優勢となりそうである。また、現物株ディーラーなどは、売りからの売買が停止となったり、午前中に限っての売買といった制約が出されるところもある。26日は、3・9月期決算企業は実質10月相場入りとなるが、他の決算月企業は9月最終となるため、経理上の観点から商いを手控える動きもありそう。また、ラマダン入りにより、これから1ヶ月間はオイルマネーによる資金流入が期待できない。さらに4月高値期日接近による需給懸念が次第にクローズアップされてくる可能性もある。週末には新興市場の一角が動意づいていたが、商いを手控えているため低位材料株での数量商いでの値ざや稼ぎは厳しくなり、1株単位銘柄での短期値幅取りの流れと考えられる。そのため、来週以降の持続性には懐疑的である。よって来週も手掛けづらい1週間となりそうである。 日経平均については重要な支持線を割り込んでいる状況であり、引き続き下へのバイアスが強いとみている。ただ、週足ベースの一目均衡表では、6月以降、先行スパン(雲)上限をサポートとした値動きが継続しているため、希望は残されている。また、NY市場ではナスダックが週足ベースの雲上限を捉えてきている、このナスダックが強い動きをみせるようなら、値がさハイテク中心とした国際優良株が相場のけん引役となる。そうなると、今後需給懸念が高まる大手銀行や不動産など内需関連が需給整理を行う間の懸念要因を吸収し、日経平均を下支えするとの期待も高まる。しかし、ナスダックが雲上限を確実に超えられずに下振れるようだと、高値レベルで推移している優良株などは利益確定の流れが強まることになり、指数へのインパクトの高さから、結果的には日経平均の4日〜6日のアイランド形成を確実にさせてしまう可能性はある。 (村瀬 智一)