海外資金流入期待、週末SQまでは強気継続?

日経平均は小反落。6.51円安の16134.25円(出来高概算14億9000万株)で取引を終えている。31日のNY市場の小幅反落、や昨日の先物主導による大幅高の反動などもあり、利益確定の動きが先行した。ただし、半導体SOX指数が反落となっていたものの、アドバンテスト、東京エレクなど値がさハイテク株の一角は堅調に推移している。また、指数インパクトの高いソフトバンクもプラスレンジで推移しているほか、鉄鋼、機械、非鉄株などにも強い動きがみられており、日経平均を下支えしている。 後場寄り付き直後には先物市場がプラスレンジを回復し、これに伴うインデックス買いなどの影響から一時16158.48円とプラスに転じる場面もみられていた。ただ、不安心理が強まっている楽天が安値を更新してくると、新興市場の中小型株中心に利食い圧力が強まり、日経平均も若干ながらマイナスとなっている。とは言え日経平均は大きく下ぶれすることなく、小幅安とはなったものの寄り付き比較では61.44円高の陽線となり、膠着感が強まる中では比較的底堅さが目立っていた。 今週は前週末の引け味の悪さや、テクニカル的な過熱感から下振れが警戒されていたが、結果的には7月の戻り高値15710.39円レベルが支持線として機能したほか、同水準に位置する25日移動平均線がサポートする格好から切り返しをみせている。依然としてテクニカル面での過熱感や直近戻り高値レベルでの売り圧力などが警戒されているため、下への警戒感は薄れていない。しかし、それ故にロングポジション(買い)は取りづらく、ショートポジション(売り)に傾きやすい地合いが続くと考えられる。そのため結果的には好需給が続くことになるとみられ、この需給が引き続き相場を下支えすることになろう。 また、来週は週初の米レイバーデー明け後の海外投資家による資金流入を期待する流れも強まる可能性はありそうである。週末に予定されている先物・オプション特別清算指数算出日(SQ)までは強含みで推移するとの期待感もある。また、今回のSQはミニ日経先物が開始されてはじめてのSQとなるため、注目度が高まる可能性があろう。再度戻り高値を窺う場面や、反対に25日接近などでは仕掛け的な売買が集中することも考えられる。 そのほか、来週もしくは再来週初めには日経平均の定期入れ替え銘柄の発表があると考えられている。そのため、新規組み入れや削除が予想されている銘柄なども値動きが荒くなると考えられる。特に削除銘柄などは信用残が売り超になっているものが多く、状況によっては発表前にショートカバーの動きとなる可能性もあろう。 週初に下げのきつかったソフトバンクは、その後底堅い値動きをみせている。信用需給妙味は高まっている銘柄で且つ、日経平均へのインパクトが高いこともあり、引き続き注目されることになろう。また、Xデーなどのネガティブ記事により不安心理が高まった楽天だか、週明けにライブドア前社長の初公判が予定されていることも、思惑を高める要因となっていたようである。不安感が完全に払拭できるまでは中小型株に与える影響が警戒されるが、他の中小型株は1月のライブドアショックから半値押しは当たり前であるほか、個人投資家の需給整理も一巡しているとみられる。個々の銘柄をみても、連鎖安の動きは鎮静化しているため、どの方向の結果にしても、今後のアク抜けにつながるとみている。そのほかではご懐妊されている秋篠宮紀子さまの、ご出産が予定されており、「赤ちゃん」関連などへ短期資金が向かうことも考えられよう。イベントでは7日に鉄鋼各社の業績見通し、大和総研による06-07年度企業業績見通し、日銀政策委・金融政策決定会合が予定されている。(村瀬 智一)