SINPOコード

どうでもよいことながら、SINPOコードの"S"についてふと考えました。私はあまり丁寧にログは取らないし、受信報告書も滅多に書きません。それゆえ、SINPOコードなんぞは、平素から疎遠なものなんです。しかし、巡回する掲示板で投稿される記事にSINPOコードが付記されていて、「おい、ホントかよ!?」と思わず眉をしかめてしまう付け方も散見されます。SINPOコードは学業の通知表と同じでオール5が最高です。かってのBCLブームの時には、「ごますりレポート」と言う造語まで出現したほど、このSINPOでの評価はいい加減な状態でした。ちみなにWikipedia*1で調べると、次のコード表が掲載されていました。


これでは、まるで受信者の主観でどーとでもしてくれと言わんばかりの基準です。それはそうです。仮に「信号の強さ」を○×dBなどと定めても、Sメータすら無いラジオで受信するときには一体どうするのか。だから絶対比較はハナから放棄して、このような指針に沿って評価するしか、他に方法がないのでしょう。それもよく理解しています。

では、少なくともSメータが付いていて、いわゆる通信型受信機でございと言う場合のSINPOコードはどうあるべきなのか?それにしても、たかだかSの目安ができるだけで、残りの項目はアバウトそのものです。じゃあ、Sだけでもいいから、もっと客観的につけられないのかと、ぐぐってみたら、ヒット上位順では、さすがドイツあたりのサイトでそれらしいのがありました。dx-antwerp*2のSINPOコードの解説のページからカットしました。


これによると、具体的にSメータのどの位置でS=*と対照表で書かれています。確かにSメータの振れ方は、JAIA加盟メーカーでは、ある程度申し合わせができていますが、それもS=9の時だけでしたっけ。S=9から下は甘さ、辛さのさじ加減はメーカーまかせだったハズ。これは根が深く、メーターが景気良く振れた方が感度良く思われる購買者への心理的効果なんぞも盛り込まれているので、S=9だけdBm対比が守られていれば、あとはリニアでなくてもカーブもOKとなるようです。まっ、それでも、Sメータがあるのと無いのでは大違いですので、そんなら、その基準で評価するようにしようかとなれば、一石を投じた価値があるというものです。

他のサイトではここ*3にこんな基準が書かれています。
S1, S2, S3: S=1,
S4, S5, S6: S=2,
S7, S8, S9: S=3,
S9+10 dB, S9+20 dB, S9+30 dB: S=4,
S9+40 dB, S9+50 dB: S=5

あるいは、こちら*4にはSだけに特化した説明も載っています。


そして、これが大事なところ。本来の意味においては、受信者がプリアンプを使おうが、4分配器を通していようが、到来電波の強度は不変のハズです。それなのに、高利得のプリアンプを通したり、PRE2をオンした後のメータの振れで優劣を競ったり、寸評をアップするのはまったくナンセンスですし、その断り無く放送局にリポートすることは、もはや「このレポートが貴局のお役に立てば・・・云々」の文言を自ら否定しているようなものだと思います。ぜひとも、ベテランDX'erと自他とも認めていらっしゃる方から範を示していただきたいものだと思ってやみません。